この説明をする前に読者のみなさまが、私のトルコに関する記述を読んでいないようであれば、これ以前のトルコリラに関するものをしっかりと読んでいただきたいと思います。
トルコ危機が叫ばれて久しい昨今になりますが、今後もこのようなことが起こると思います。 そこで今回は、トルコ円がどこまで下 ... 私はトルコ円が、東京金融先物取引所(くりっく365)に上場されてから一貫して主張をしてきたことは、 トルコ円は壊滅的な下 ...
トルコリラの見通しは?半値、八掛け、五割引で相場を予測【2018年】
トルコリラは割安だから、とりあえず買っとけ!と言える理由
トルコリラを理解するのに、ウェブの1ページや2ページで理解できると思うほうがおかしいのであって、そもそもトルコ人に失礼だと思います。
彼らの大事なお金を、1ページ程度で理解できると思うあなたのほうがおかしいのです。
あなたが、逆の立場であれば、怒ると思うでしょう。
時間がかかっても、根幹の問題からわかりやすく説明していると思いますので、理解できるとは思います。
ともかく、今はインターネットの時代になりますので、理解もしていないのに、わかっている、という人が多すぎるように感じるのは私だけではないと思います。
みなさんも感じると思いますが、堂々と、わかっている、と宣言をしている人というのは「文字が読めたこと」をわかっている、というだけのことであって、実は何も理解していない人が非常に多いのです。
この辺は教科書が読めない子供たち、東洋経済、新井紀子著に詳細に記されていますので、時間のある方はぜひ、読んでみてください。
さて、今回はどういう説明をするか、といえば、トルコ円が動く理由についての話をします。
そもそもトルコの致命的な欠陥というのは商売をするのにも、彼らにお金がない、というのが一番の問題なのです。
でも為替が動く理由というのは違うのです。
前回までのおさらい
前回、トルコリラ円が売られた理由というのは、期待度の高さから買われ過ぎてしまい、その結果、プロは売り、そして一般の投資家は買うという、新規上場商品ならでの特徴の面で説明をしました。
これが株式の新規上場商品であれば、買いで保有をしていても、追証はかかりませんのでマーケットが退場させられることはないのです。
ところがFXや先物取引であれば追証の資金が尽きれば自動的に退場させられるのです。
株式の場合は景気が好調な場合は、周囲に押されてその株価も回復する可能性があり、助かる可能性もあります。
その辺がFXと株の現物取引の大きな違いです。
ただし、世界の取引所は民営化の流れになっていますので、取引所は赤字を出さないように積極的に上場商品を増やしたいという思惑があります。
つまりトレードが増えそうな商品を上場させるのですが、その希望が絶望的な商品など経費の無駄になりますので上場などしません。
つまり、新規上場商品というのは、希望があるから、上場されるわけであって、その希望の光が消えない限りは、大暴落を引き起こした後、急速に値段を回復する傾向にあるのです。
要するに、くりっく365のほか、新規上場される商品というのは、結局、最初は売られ、そしてのちに暴騰するケースになるだろう、というのがほとんどです。
昨今、メキシコペソが上場されたそうですが、これも売られると思うのが経済学のロジックでも当たり前のことなのです。
そして、忘れたころに暴騰する、ということがいつものパターンだということを金融マンは経験上知っているのです。
金融マンは使えないけど、そういう経験を知っていますので使えないこともない、とも思うのです。
要は、あまりにも一般の投資家という素人が買いすぎると、下がりやすい傾向は、どの金融商品にもあることなのです。
ですから、トルコ円が新規上場以来、下がり続けたのは、私にとっては予想通りのことなのです。
しかもその大半の目的はスワップなのですから。
値動きは無視という人が過半なのですから、狙われて当然です。
今回は違う側面からの解説です
為替、FXというのは株式や商品市場と一緒だと思っている人が過半になると思います。
これは大きな間違いです。
私もよく、テレビをみていて、この人、株とFXの根本的な違いを理解していないで、解説をしていると思う人がほとんどです。
そういう人の予想は90パーセント以上の確率で外れます。なぜなら、根本的な違いを理解していないからです。
たとえば、円安ドル高という言葉があります。
この言葉に円安ドル安という言葉が存在すると思う人はなかなかいらっしゃいません。
では、なぜ、ドル円相場は必ず、円高ドル安、ないしは円安ドル高と表現するのか、を考えてください。
答えは非常にかんたんでドル高になれば必然的に円安になるからです。
ドル円レートを昔、みなさんが中学校で学習した因数分解をしていくと非常にわかりやすくなります。
ドルに対して現状、いくらになるのかがドル円レートになります。
つまり、ドルに比べて、円は120円というレートのことを1ドル120円になります。
つまり比較対象があって、初めてドル円レートが成立するのです。
株価の場合は、株価が100円であった場合は、そこに総株発行数をかけ合わせれば時価の会社の値段になります。
つまりドル円レートのように、比較対象がなくても値段は表示ができるのです。
つまり株価をみればその会社の価値はだいたいわかるのです。
ドル円はアメリカという比較対象があってはじめて成立するレートなのです。
それが根本的に株価と為替レートの違いなのです。
要するに、為替レートというものは、アメリカで100円出せば買えるものが、日本では200円するという場合は1ドルが2円という表示になるのです。
かなり突っ込みどころ満載な説明になるのですが、我慢してください。
この比率で表現したものなのです。
一方、アメリカで300円する場合、日本が100円だったら、1ドルが1/3円になるのです。
これを等式にまとめてみましょう。
アメリカ | 日本 | 為替レート |
---|---|---|
100円 | 200円 | 1ドル200円 |
↓
アメリカ | 日本 | 為替レート |
---|---|---|
300円 | 1/3円(0.333・・) | 1ドル1/3円 |
アメリカは100円から300円になったから、アメリカドルは強くなった、ドル高と解釈することができます。
日本は200円から、1/3円ですから弱くなった、つまり円安になったのです。
そうなるとレートの評価はドル高円安になるのです。
つまり為替レートは一方が強くなると、必ず相手のレートは弱くなるのです。
トルコ円の場合も一緒です。
トルコ円が弱くなって、円が弱くなることは絶対にありえません。
どちらかの国に理由があって弱くなり、その結果、トルコ円のレートが下がるのです。
要するに、弱くなるのにはそれなりの理由があるのですが、問題の所在がどちらにあるのかを考える必要があるのです。
みなさんはこの説明ではよくわかったような、わからないような感覚に陥っていると思います。
大丈夫です。この先、読み続ければこの概念がわかるような構成にしていきますので安心してください。ほぼ、毎日、更新しますので次回も読んでください。
この概念は、理解するまでに長い人で3か月くらいかかりますので、徐々に理解すれば大丈夫です。
1日で理解する人は先ずいません。
為替は両国の事情によって決定される
トルコ円の場合は、日本もトルコも景気が悪くて値段が下がっているのではありません。
なぜなら昨日の法人統計調査でも自動車や鉄鋼などで不調な企業がありますが、全体的に好調なのです。
そもそも、日本円は、好調になると円安になるという、為替特有の難しさがありますので、なかなか理解できないと思います。
トルコは悪いというか、冒頭でもお話しをしたように、ともかくお金がない、というのは50年前から一緒なのです。
べつに昨日、今日にお金がない訳じゃありません。今も昔もお金がないのです。
お金のない国でビジネスをやろうという人は少ないのです。
だから、それほど経済がよくならないのは当然の話なのです。
この辺の話も突込みどころ満載なのですが、次のことを理解してほしいと思います。
この辺の話は、また別にお話しをしていきます。
為替の世界には王様がいます。
それはなんでしょうか?
みなさんは義務教育を真面目にやっているという前提でお話しをすると、必ず、学習するのは「基軸通貨」という概念なのです。
その基軸通貨というのは、アメリカドルになるのです。
その基軸通貨というのを王様と表現しているだけです。
今回のトルコリラの下げという要因は、この基軸通貨、王様のアメリカドルに要因があります。
難しい話をするのではないか、と警戒をしている人もいると思いますが簡単な話です。
今、アメリカの金利が2年前までゼロだったのが、今、上昇しています。
今、1年物の金利で2.0パーセントくらいだと思います。
トルコは先日、利上げをして16.5パーセントです。
どちらの国にみなさんは貯金しますか?数字だけではトルコですよね。
でも、世間一般の雰囲気はトルコにお金を預けていると、もしかしたら破産してトルコリラが紙切れになってしまう可能性がありますよね。
だったら、普通はアメリカに貯金しますよね、それだけの話です。
アメリカの金利は、これからも上がり続けるという観測があります。
じゃ、金利の先高感があるアメリカに貯金しようというのが今の世界的な流れです。
それだけの話です。
トルコで貯金をしている人が、アメリカに貯金の預けかえを行っているのが今、起こっていることです。
こういうことは歴史上なんどもありますので、私の経験則で言っているのではありません。
普通の経済学者やアナリストにとってはこういうことが起こるのは想定通りのことなのに、このことを予想していなかったのは知らないだけですので悔やむことはありません。
となると、アメリカにお金が流れ込み、トルコから資金が流出しているだけの話なのです。
これがトルコリラの下がっている理由です。
このお金の流れの前提条件というのは、アメリカの金利が上がるという、理由です。
でも、今年はそれほど、アメリカの金利は上がりません。
その理由は角野實を検索したらいっぱいの記事のどこかにその理由を書いている記事があります。
長い目でみれば金利は上昇しますが、今年に限ってはそれほど上昇しません。
私が言っているのではなく、アメリカの中央銀行がそう言っているのです。
私の個人意見ではありません。
つまり金利が上昇する見込みというのは、間違った見解だから、アメリカの金利がそれほど上昇しないと世界の投資家が認識したら、トルコからアメリカへの資金の流れはいまほど大きくならないでしょう。
そうなると、自動的にトルコリラは上昇しますね。
それだけのことなのです。
これを要約すると、トルコリラの行方を知りたい場合は、アメリカの金利をみればある程度、わかるのです。
アメリカの金利が上昇すればトルコリラが下落します。
下落すればリラは上昇します。
でも、これは、5月末までの話です。この話もまた別の機会にお話しをします。
要は、トルコの経済指標が悪化して下がっているのではなく、アメリカの金利動向によって上下を繰り返しているだけなのです。
これだけトルコがつぶれるかもしれないと騒いだらトルコの経済指標なんてよくなるわけがありません。
でも、つぶれないと思います。
数か月後にトルコのジャムとか、いろいろなものが町に出回りますよ。
なんで? だって、100円だったリラが今、20円ですよ。
1/5の価格で輸出できるのですから、トルコ製品はバカ売れになるでしょ。
当たり前のことです。つぶれない限りは。(笑)
今頃、日本の商社マンがトルコのイスタンブールをうろついて、安くていい商品がないか、と探し回って、日本に輸出をする算段をつけていますよ。