この記事ではミセスワタナベとはなんなのか、どのような投資を行う人なのかについて解説していきます。
FXについて調べていると、ミセスワタナベというワードがでてきます。
ミセスワタナベって誰?
有名な投資家?
どんな人なの?
と気になることかと思います。
ミセスワタナベは、個人名ではありません。
ミセスワタナベとは、日本の個人投資家(主に主婦)を指してこう呼びます。
ミセスワタナベの使われ方は2種類あります。
単に日本の個人投資家をミセスワタナベと呼ぶ場合と、素人投資家として揶揄するような意味を持ってミセスワタナベと呼ばれる場合があります。
ミセスワタナベという呼称は、相場を動かす影響力の大きな存在を指すものとして使われ始めました。
それが、なぜ揶揄するような意味合いを持つものになってしまったのかを、ミセスワタナベの手法などを解説しつつ、みていきます。
ミセスワタナベの手法について
ミセスワタナベには、3つの特徴的な手法があります。
- 円を売って外貨を買う
- 高金利の通貨を買う
- 逆張りを好む
FXでは外貨の売りも可能であり、それが魅力の一つでもあります。
ですが、ミセスワタナベは、これをあまりおこないません。
また、円を中心に取引し外貨同士の売買をおこなわないのも、ミセスワタナベの特徴です。
各国の通貨には、政策金利と呼ばれる金利が設定されています。
円などの金利の低い通貨を売り、トルコリラなどの金利の高い通貨を買って保有していれば、毎日スワップポイントと呼ばれる金利がもらえます。
ミセスワタナベは、この金利を目的にトレードを行います。
トレンドの逆のポジションを持つことを、逆張りといいます。
ミセスワタナベは、この逆張りを好むというのも特徴です。
ミセスワタナベとトルコリラについて
FXに縁のない人にとって、トルコリラはあまり親しみのないものかと思います。
ですが、トルコリラは、現在のFX市場で米ドルに次ぐといっていいほどの注目を集める通貨です。
その理由は、トルコリラの高い金利(8%)にあります。
前述のように、ミセスワタナベは高金利の通貨を好みます。
ミセスワタナベがトルコリラに積極的に投資することから、トルコリラの注目度が上がっているのです。
ミセスワタナベとビットコインについて
最近のミセスワタナベの動向として注目されたものに、ビットコインがあります。
2017年はビットコインの大きな値動きがTVで報じられ、話題を呼びました。
特に日本ではビットコインの注目度が高く、一時はビットコインの総取引高の半分を日本円が占め、ビットコインの価格の上昇に大きく影響しました。
この主役になったのが、FXから仮想通貨市場へと移ってきたミセスワタナベといわれています。
ミセスワタナベはカモと言われる理由について
ミセスワタナベという言葉に揶揄するようなニュアンスがあることは、お話したとおりです。
その原因は、投資手法にあります。
一例として、高金利の通貨を積極的に買っているという点があります。
日本円売り・トルコリラ買いのポジションを保有していれば、金利差によりスワップポイントが付与されます。
ポジションを保有しているだけで毎日スワップポイントがもらえ、収益を上げていくことができるのです。
スワップポイントは、保有するポジションの量が多いほど、付与される額も大きくなります。
FXには、レバレッジがあります。
これを利用し、レバレッジをかけてトルコリラを大きく買い、ポジションを保有し続け、スワップポイントで利益を上げていくという手法がミセスワタナベの中でも人気です。
ほったらかしで利益が出るので理想的な投資に思えますが、この手法には落とし穴があります。
為替レートは日々変動しています。
トルコリラの価値が下がってしまうと、その分の資産が目減りし、損失が出ます。
トルコリラの価値が大きく下がってしまうと、当然損失も大きくなります。
このような時に大きなレバレッジをかけていると、スワップポイントでの利益など簡単に吹き飛ぶ大きな損失が出てしまうことになります。
強制ロスカットにあう可能性も高くなります。
スワップポイントを狙う取引自体は有効なのですが、リスクコントロールを無視して大きくポジションを取り、ロスカットを置きもしないミセスワタナベも多くいます。
このように、安易にスワップを狙いリスクコントロールをしないことが素人として見られ、熟練のトレーダーやヘッジファンドからカモとみられているのが、ミセスワタナベです。
なぜ、ミセスワタナベはドル売り、円買いのポジションになるのか?
ミセスワタナベは円売り、ドル買いを好みます。しかし、いつも円売りというわけではありません。
ミセスワタナベの特徴には逆張りを好む、というものもあります。ドルが上がり、これ以上伸びそうにないと判断すると、ミセスワタナベはドル売りを始めます。
トレンドに従えというのが相場の重要な格言なのですが、それを破って逆張りしてしまうのが、ミセスワタナベです。
ミセスワタナベはいつも大損するのか?
ミセスワタナベは、素人投資家とみられています。
相場は、素人投資家が簡単に勝てるものではありません。
また、安易な行動が通用しない世界でもあります。
そのため、ミセスワタナベというと、相場で敗けている人という印象が強くあります。
とはいっても、ミセスワタナベが常に大負けしているというわけではありません。
ミセスワタナベの特徴である円売りドル買いの場合、円安のトレンドが続く状況では利益を上がります。
スワップポイント狙いでも、適切なリスクコントロールがあれば、利益を上げていくことは可能です。
しかし、トレンドはいつか変化します。
円売りばかりでストップロスをおかないミセスワタナベはトレンドの転換に対応できず、それまでに上げた利益以上の損失を出してしまいます。
結果として、最後は大負けということが多くなってしまうのです。
ミセスワタナベ狩りについて
相場は弱肉強食の世界です。
素人投資家のミセスワタナベは、草食動物です。
この世界には、相場のプロであり肉食獣であるヘッジファンドも存在します。
ヘッジファンドにとっていつも同じオアシスに集まるミセスワタナベは絶好のカモなのです。
ミセスワタナベはめったにストップロスを置きません。
置いても、安易な位置(ダブル0や50といった節目の位置)にしてしまいがちです。
これを狙ってヘッジファンドはストップ狩りを仕掛けてきます。
ミセスワタナベの安易な行動を読み、それを狙ったヘッジファンドのしかけをミセスワタナベ狩りと呼びます。
まとめ
ミセスワタナベの正体とその特徴について解説しました。
ミセスワタナベという呼称は、当初市場に大きな影響力をもつ存在を指すものとして使われ始めました。
しかし、安易なトレードが多く、プロからカモとしてみられ、素人投資家として揶揄されるのが、現状のミセスワタナベです。
本気で投資をはじめる人にとって、反面教師となるのがミセスワタナベです。
- 日本円の売り一辺倒にならない
- リスクコントロールをしっかり行う
- トレンドを利用する
ミセスワタナベを反面教師にし、相場を知り、素人から抜け出すのが投資家としての第一歩です。