FX業界で最近耳にする「ソーシャルトレード」というワード。
裁量トレード、システムトレードに次ぐ
「第三の取引手法」
として知名度が高まっていますが、具体的な内容が分からず活用出来ていない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ソーシャルトレードとは、簡単に言うと、FXにおける新たな取引手法であり、その内容は取引上手なトレーダーの動きをコピーすることで利益を得ようとするものです。
利用する際は、「どのトレーダーのトレードをコピーするか?」が重要です。
本記事では
「ソーシャルトレードとは?」
という基本的な疑問から紐解いていきます。
その上で、その特性や抱えるリスクについて分かりやすく解説します。
また、近年広まったこの取引手法が市場にどう評価されているか、そしてソーシャルトレードを実行する為にはどの取引所を利用する必要があるのかについてもご紹介します。
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ソーシャルトレード(コピートレード)とは?
ソーシャルトレードとは、FXにおけるシステムトレードの一種を指す言葉です。
その特徴は、
「自身が選んだトレーダーの取引状況をコピーして、自身の口座でも同じ取引を実行する」
という点にあります。
その為、他人の取引をそのままコピーするという意味で「コピートレード」とも呼ばれれます。
日本のFX取引ではシステムに組み込まれたプログラムを利用したシステムトレードが中心ですが、海外ではこのソーシャルトレードもごく普通に利用されています。
その最大の利点は、勝っているトレーダーのトレードを、そのまま自身の取引に反映出来る点です。
早い話が、
トレードの勝ち馬に乗れ
と言う事です。
独自にチャート分析を行い、自ら築き上げたトレード理論で利益を上げることは全トレーダーの理想です。
しかし、情報収集力や知識面の鍛錬を重ねても、思ったような成果が出ないときもあります。
しかし、ソーシャルトレードであれば特別な知識や情報のツテがなくとも、利益を叩き出しているトレーダーの動きをトレースすれば自身もその恩恵を得られるのです。
ソーシャルトレードのリスクや失敗例
さて、一見メリットだらけに思えるソーシャルトレードですが、利用したからと言って必ず利益を得られるというわけではありません。
ソーシャルトレードに潜むリスクと、ソーシャルトレードを利用したことで損失を被った失敗談を見てみましょう。
まず上げられるリスクとしては、(投資である以上当然ですが)損失を被る可能性があるということです。
どれほど優れたトレーダーの方でも、相場を読み違えたり突発的な出来事に対応できずに資産を減らしてしまうことはあります。
トレーダーランキングで上位にいる方々もあくまで現時点では利益を出しているに過ぎない、という点に注意が必要です。
加えて、プログラムによる取引記録がトレーダーランキング上に表示されてしまっている、というケースもあり得ます。
多数の取引プログラムによる取引の中から偶然成績が良いものを選出し、プロトレーダーの記録としてアピールすることも可能なのです。
この様に、好成績なトレーダーの動きに追従すれば必ず利益を得られる、というわけではないのです。
ソーシャルトレードでの失敗例
実際、ネット上や弁護士相談サイトなどでは、こういった損失を負ったケースが複数見受けられました。
口コミ1
・「私のトレードをコピーして運用しませんか?」との触れ込みに誘われ申し込みをしたが、一週間後にコピー対象の口座がロスカットに追い込まれていた
口コミ2
ソーシャルトレード対象とした口座の含み損が多額だった為に、取引の動きについていく過程で大量の証拠金が必要となった。
ソーシャルトレードの評判や2ちゃんねるでの噂
画期的な取引モデルである一方、取引手段として優れているのかという点で議論のあるソーシャルトレードですが、トレーダーの方々やネット上での評価はどういったものなのでしょうか?
ソーシャルトレードを提供しているサイトに登録後すぐに取引が可能な点や、FXに関する専門知識が無くても好成績なトレーダーの動き追うことで利益を得られる点から、
「FX初心者や裁量トレードで行き詰っている人におススメ!」
といった、ソーシャルトレードに対して肯定的な意見も見られました。
しかしその一方で、ソーシャルトレードの収益性を懐疑的に捉える声が多いことも事実です。
実際にソーシャルトレードを行った方のブログを覗いてみると、
「トレードサイトイチ押しのトレーダーの動きを追ったのに、思う様に利益が得られなかった」
との意見が見られました。
またネット上の匿名掲示板サイト「2ちゃんねる」における書き込みでは、「ソーシャルトレードは儲からない」との意見が多数確認できました。
特に2ちゃんねる上の書き込みでは、そのあまりの勝てなさからか
「ランキング上位者は運営元からトレーダーランキングの順位を買っているのでは?」
「トレーダーが大きく負けた履歴を運営側が消去して見れないようにしているんじゃないか・・・?」
といった憶測が広まっています。
ソーシャルトレードの最大の問題点は?デメリットはこれだ!
ここまでの内容からも分かる通り、ソーシャルトレード最大の問題点は、トレードを提供するサイト又はランキング上位のトレーダーに対する「信頼の不確実性」と言えるでしょう。
(ソーシャルトレードが日本で浸透し始めたのは2017年に入ってからである為、取引環境自体が整い切っていない点やソーシャルトレード自体が懐疑的に見られるのは仕方がないこととも言えます。)
好成績をキープしているトレーダーが今後も利益を出し続けられる保証などありません。
「ネット上の交流に留まっている素性を知らない人に、お金の運用を委任している」
という性質もソーシャルトレードに対する信頼性を損なう要素の1つと言えます。
また、投資に関して厳しい規定が存在する日本国内で、ソーシャルトレードが出来る会社はごく少数です。
なので、現在利用できる殆どのソーシャルトレードの拠点は海外にあることになります。
これではもし何らかのトラブルに巻き込まれた場合でも、「自己責任」とみなされ国内法による救済が受けられない可能性があります。
この様に、ソーシャルトレードは最新の取引手法であるが故に、制度面・信頼性で不完全な部分が多いというデメリットを抱えているのです。
ソーシャルトレードをするにはどこの会社で取引出来るのか?
さて、「ソーシャルトレードの大半は海外業者により運営されている」とお伝えしましたが、日本人がソーシャルトレード利用する為にはどんな準備が必要なのでしょうか?
ソーシャルトレードによる取引が可能な会社が、遂に日本でも誕生しました。
それが、みんなのFXが提供する
「みんなのシストレ」です。
2018年の1月、この「みんなのシストレ」にソーシャルトレード機能が追加されました。
(これ以前にもワイジェイFXがソーシャルトレード機能を提供していたのですが、こちらはサービスが休止状態となっています。)
そして、現在国内でソーシャルトレード利用する手段がこの「みんなのFX」に限定されているので、これ以外の手段となると海外業者の運営するサイトに登録する必要があります。
その中でも有名なのが
「インスタントレード」
というソーシャルトレードです。
インスタントレードはここまでに紹介したランキング制度の他にも、以下の3つの特徴を備えています。
1つ目は、強制決済機能を備えていることです。利用者は動きをコピーしたトレーダーの状況を見て、自分のタイミングで強制決済を行うことが出来ます。
2つ目は、リバースランキングの導入です。何人がそのトレーダーの動きをコピーしているのかをサイト上で公表しており、自分が注目しているトレーダーの信頼性を測る上で重要なデータとなります。
そして3つ目は、ソーシャル機能の高さです。トレーダーをフォローすることで、トレーダー側の取引状況が直接フォロワーに伝えられます。
まとめ
このように、ソーシャルトレードは、勝ちトレーダーのトレードをトレース出来る反面、日本では、環境がまだまだ整っていない為、「信頼性」といった部分に心配が残ります。
現時点(2018年)段階では、システム会社や、きな臭いソーシャルトレードシステムには手を付けず、国内のFX会社が提供するソーシャルトレードを利用した方が無難かも知れません。